対馬・比田勝―博多結ぶ新フェリー 「うみてらし」進水 速力向上、運航1時間短縮

対馬・比田勝-博多航路で7月就航する予定の新フェリー「うみてらし」の進水式=大分県臼杵市、臼杵造船所(九州郵船提供)

 九州郵船(福岡市)は18日、対馬・比田勝-博多間で運航しているフェリーの老朽化に伴い建造している新船「うみてらし」(約1100トン)が進水したと明らかにした。7月に就航予定。現在の「げんかい」(675トン)より速力が向上し、5時間50分の運航時間が4時間55分に1時間近く短縮する見込み。
 同社によると、新船は時速31キロ以上で航行できる。揺れを緩和するスタビライザーを導入して快適性を高め、エレベーターを設置するなどバリアフリー対策を充実させる。従来は大部屋だけだった客室にはプライバシーに配慮し小部屋も設ける。旅客定員176人、車両搭載能力は乗用車43台。
 総工費は約24億5千万円。独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(横浜市)が建造費の9割を負担し、九州郵船が完成から最大11年かけて使用料を支払う「共有建造方式」を採用。船主は当初同機構と同社だが、最終的には同社の100%所有になる。
 進水式は16日に臼杵造船所(大分県臼杵市)であり、対馬内外に公募した新船名を九州郵船の竹永健二郎社長が宣言。支綱を切断し船は海に滑り出した。
 同社は「これまで以上に乗り心地が良くなり、福岡に通院するお年寄りも利用しやすくなる。速度向上に伴って観光・ビジネス客の対馬滞在時間が延びるので、ぜひ利用してほしい」としている。


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