少子化、文化継承… 五島高生「地域のために」奮闘 課題解決取り組み

ポケットの数や大きさにこだわった肩掛けバッグ。左が改良版=五島高

 長崎県立五島高2年の3グループが、子育て支援や地域文化の継承をテーマに、地域貢献活動に取り組んでいる。子育て中の親が使いやすいバッグや育児パンフレットを開発したり、伝統行事を紹介する子ども向けDVDを作成したり。新型コロナ禍で活動が制限される中でも、生徒たちは「地域のため、自分にできることを続けたい」と意気込む。
 同校の探求学習「バラモンプラン」の一環。生徒たちは班に分かれて地域の課題を調べ、住民や企業などの協力を受けながら課題解決に取り組んでいる。

◇商品化目指す
 少子化対策をテーマに据えた貞方侑希さん(16)らの班は「子育ての負担を減らしたい」と、親が幼い子と一緒に外出する際に便利なバッグを考案。自分の母親や子育て中の親に経験を尋ね、お尻拭きシートなどを入れるポケットや、脱いだ服などを簡単にくくり付けられるひもを、バッグの外側に付ける工夫をした。
 第1弾の試作品を実際に使ってもらうと、子育て中の親の荷物は予想以上に多く、新型コロナ対策でマスクや除菌シートをよく使うことも分かり、バッグのサイズを大きくし、ポケットを増やして改良した。貞方さんは「機会があれば、地元企業と連携してバッグを商品化したい」と語る。

◇公園の場所も
 同じく少子化対策に取り組む木口六花さん(17)らの班は、子育てに関する情報をまとめたパンフレットを作った。同市で妊婦や子育て中の親の支援に取り組む「まちなか子育て相談室『歩む』」について紹介。子育てイベントの日程や、子ども連れで遊べる公園の場所や遊具の種類なども盛り込んだ。150枚印刷し、市役所や保育園などで配布する。
 また今畠来夏さん(17)らの班は、子どもたちが各家庭を回って菓子などをねだる同市富江町の伝統行事「いもはまんだかな」について、歴史などを学べる紙芝居を作成した。コロナ禍のため読み聞かせ活動などはできなかったが、描いたイラストと音声をDVDに収録。来月3日から市の自主制作番組「ごとうチャンネル」でも放送する。

子育て相談室の紹介や公園の情報などを盛り込んだパンフレット
地域の伝統行事について紹介する手描きの紙芝居。音声と共にDVDに収録した

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