五島弁かるた 楽しんで「みんのみんにみんのひゃって」「あっぱよ」 市民グループ制作、将来は「大会も」

「五島むかしばなしを楽しむ会」が発行したかるた

 みんのみんにみんのひゃって-。長崎県五島市に伝わる方言に親しんでもらおうと、地元の市民グループ「五島むかしばなしを楽しむ会」が「五島弁かるた」を作った。「みん」「べべんこ」「あっぱよ」といった単語や独特の発音など、五島弁をふんだんに使って読み札を考案。同会は「学校や家庭で世代を問わず楽しんで」と呼び掛けている。
 五島弁は、語尾を短く簡略化するのが特徴の一つ。例えば「右」「耳」「水」が「みん」、「海」が「うん」に変化したり(撥音(はつおん)化)、「くる」を「くっ」と言ったり(促音化)する。冒頭の文章は「右の耳に水が入って」の意味。同じ五島市内でも、福江や富江など地区によって発音などが異なる場合があるという。
 同会は学校や福祉施設で民話の読み聞かせなどに取り組んでいるが、メンバーらは活動の中で、五島弁を知らない若い人が増えていると実感。「いつでも、どこでも、楽しみながら、五島弁を使えるように」と、かるた制作を始めた。
 読み札は46枚。使う方言は地元の方言集などを参考に会員らで選び、標準語訳も記した。「あ」の札は、代表的な五島弁で驚いたときに言う「あっぱよ」を使い「あっぱよ いっなっ ねこん 飛んだしてきて」(びっくりした。いきなり猫が飛び出してきて)。絵札も会員が描いた。

五島弁かるたを制作した才津会長(右)と橋口明敏副会長=五島市内

 才津久高会長(77)は「いずれは市内で五島弁かるた大会が開催できたら」と夢を膨らませた。完成した250セットの一部は、市内の小中学校や学童施設、公民館などに寄贈。残りは、制作費として1口3千円の寄付をしてくれた人に贈る。問い合わせは才津会長(電090.3017.8953)。


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