高い理想 代々受け継ぐ パスサッカー貫き節目 鎮西学院

【サッカー女子決勝、鎮西学院-島原商】前半10分、鎮西学院のMF福元(中央)がシュートを放つ=雲仙市、国見総合運動公園多目的芝生広場

 第1回大会から県王座を守ってきたサッカー女子の鎮西学院が節目の10連覇に到達した。川原監督は「選手が入れ替わっても10年間変わらないのは、ひた向きにサッカーをやってくれること。それに応えようと、指導する側も本気になる」と強さの理由を語る。高い理想を持ち、前向きに挑戦する気風が、代々チームに継承されている。
 掲げているのは「鎮西リズム」。GKを起点に左右に揺さぶりながら、パスをつないでゴールへ向かうスタイルを貫く。そこにスピードや足元の技術など、選手の個性を織り交ぜて攻める。この日もその持ち味を存分に発揮。相手に主導権を渡さずに4ゴールを奪うと、守っては前後半70分を通してシュートを1本も打たせなかった。
 女子サッカー部は1980年代の休部を経て、2006年に活動を再開した。2年目の07年に県大会で優勝を果たすと、3年目の08年には全日本高校選手権初出場。15年はインターハイで3位に入るなど、大きく飛躍して現在に至っている。
 今季のチームも主将のMF松本千が「課題も多いけれど、とにかく楽しくプレーすることは忘れずにいたい」と言うように、先輩たちの思い、伝統をしっかり受け継いでいる。春には例年より多い15人前後の新入部員も迎える予定。鎮西学院の絶対的地位は、まだまだ揺るぎそうにない。


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