子どもたちに魚食を レトルトアゴだしスープ開発

「アゴだしの子供によかスープ」をPRする店員=長崎市、タナカヤ内「ながさき百貨店」

 長崎市内の飲食業「F.デザインNAGASAKI」(永石一成社長)は、水産資源が豊富な長崎の魅力をPRし、子どもたちに魚食を普及させようと、アゴ(トビウオ)などの県産食材をふんだんに使ったレトルト加工商品「アゴだしの子供によかスープ」を開発した。新型コロナウイルスの影響で疲弊する飲食業界を活気づけたいとの願いも込めている。
 永石社長(37)はコロナ禍で臨時休校中の子どもたちの居場所となった学童保育向けの弁当販売や、最前線で活躍する医療従事者への支援を目的としたテークアウトイベントなどを企画。「コロナ禍でもできることはある」と、新たな取り組みに挑み続けている。
 スープの素材はアゴの他、カタクチイワシ、かまぼこ、ゴボウ、ニンジンなど。化学調味料は無添加で、魚のうま味と野菜のほっとする甘さが特徴だ。県内の生産者や水産加工業者と連携し、魚が苦手な子も食べやすいよう、子育て世代の意見も聞きながら試作を重ね、昨年11月末に完成させた。市の「新・ご当地グルメ」で、長崎の魚を使ったスープ「長崎そっぷ」にも、初のレトルト加工商品として仲間入りした。
 1個594円。同社が経営する市内飲食店のほか、浜町の老舗婦人服店「タナカヤ」内の「ながさき百貨店」で販売している。永石社長は「魚が苦手な子でも食べやすい。コロナで帰省できない家族、会いに行けない人への贈り物にも活用してもらい、長崎らしい土産品として定着させたい」とPR。問い合わせは「旬彩ながや」(電095.827.0077)。

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