古民家喫茶 外国人に人気 「滞在の記念」着物で撮影 佐世保

重厚感と落ち着いた雰囲気が同居する館内=佐世保市、もみの華

 築百年以上の古民家を改装した長崎県佐世保市川下町の喫茶店「明治の舘 ぎやらりー喫茶 もみの華」(青井信子代表)。近年、外国人観光客が着物を着て写真撮影ができるスポットとして人気を集めている。
 青井代表が、親族が所有する古民家を改装し16年ほど前にオープン。木造2階建てで古風な庭付き。重厚感と落ち着いた雰囲気が同居した建物で、当初から市民らに結婚式の前撮りなどで活用されてきた。
 青井代表の仕事仲間で、市内でブライダルや成人式の着付けをする「和・更紗~wasarasa~」を運営する田中眞知子さんが、知り合いの外国人を連れてきたのがきっかけで外国人客の利用が増えた。いろりや畳など「日本でしか体験できない趣」が外国人客の心を捉え、口コミなどで反響が広がっていった。
 「もみの華」は、有料で撮影用に開放。田中さんが着物や浴衣の着付けのサービスをして、外国人らは思い思いに撮影を楽しむ。帰国前に「日本に滞在した記念」として訪れる家族もいるという。相浦川の中州にある和田津美神社など、地域の「名所」へ案内することもあった。
 現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国人客が訪れる機会はほとんどない。それでも、青井代表と田中さんは「コロナ禍で大変な状況だが、佐世保から日本文化を発信する取り組みを絶やさないようにしたい」としている。

着物姿で写真撮影をする外国人の家族=佐世保市、もみの華(田中さん提供)

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