勇壮な祝い歌 太鼓披露 弁財天祭り中止で有志 新上五島

勇壮な祝い歌と太鼓を披露する参加者=新上五島町有川郷、有川神社

 長崎県新上五島町の伝統行事、弁財天(めーざいてん)祭りが新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となったことを受け、参加地区の有志が16日、神社などで勇壮な祝い歌と太鼓を披露した。
 祭りは1660年ごろから始まったとされる、五島藩有川と富江藩魚目の間で起きた有川湾の海境問題に由来。有川の代表者が幕府に解決を求め江戸に上る途中、神仏に祈り、勝訴後は島にご神体を祭ったことにちなんだ。
 例年は6地区からそれぞれ約30人が参加し、早朝から夜遅くまで民家や事業所約200カ所を訪問し家内安全や商売繁盛を祈願する。
 今回は伝統行事を絶え間なく継承する目的で上有川と浜両地区の青年団員、各約10人が神社など数カ所を訪れ、「大唄」などを奉納。上有川地区から参加した江口太一郎さん(41)は「中学生の頃から参加してきた祭りで、中止は寂しさを感じる。来年は収束して多くの世代で参加したい」と話した。

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