IoTで遠隔地から“接客” 浦上タクシーが無人ホテル開業

浦上タクシーが開業するホテルの一室=長崎市川口町

 浦上タクシー(長崎市)は、同市川口町に「ホテルグランドベース浦上」を9日、開業する。常駐するスタッフがいない無人のホテル。IoT(モノのインターネット)を活用して遠隔地から“接客”し、宿泊客の安全を見守る。
 同社がタクシー以外の事業に参入するのは初めて。駐車場として利用していた土地の活用策を2017年ごろから探っていた。
 ホテルを運営するのは、西日本で宿泊施設を企画する「リクリエ」(福岡市)。ホテル入り口に設置するタブレット端末に、オンライン予約で交付されるIDを入力してチェックイン。表示される暗証番号を使って宿泊部屋に入室する。
 安全性も確保する。出入り口に監視システムを導入したほか、各部屋には24時間体制でリクリエにつながるタブレット端末も配備。緊急時には警備会社が駆けつける体制も整えた。
 各部屋は「シックで落ち着く」がコンセプト。30~66平方メートルの11部屋を設け、最大12人が宿泊できる。バリアフリー対応は8部屋。Wi-Fi(ワイファイ)も完備した。
 客層について浦上タクシーは、観光客に加えファミリー層や出張者らを想定。各部屋には食器や冷蔵庫、簡易キッチン、洗濯機も備え付け、長期滞在にも対応する。同社は「今後、70%以上の稼働率を目指していきたい」としている。宿泊料は、旅行需要を踏まえて人工知能(AI)が決めるという。


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