太平洋戦争開戦から79年 被爆者と若者 平和考える ナガサキ不戦の集い「憲法無視の政治危惧」

「核廃絶人類不戦の碑」に、平和の願いを込めたキャンドルをささげる高校生=長崎市

 太平洋戦争開戦から79年を迎えた8日、被爆証言の記録に取り組む市民団体「長崎の証言の会」などが、長崎市平野町の核廃絶人類不戦の碑前で「ナガサキ不戦の集い」を開いた。
 被爆者ら約40人が参加した。日本国憲法の前文が読み上げられた後、証言の会の森口貢事務局長(84)は菅義偉首相による、日本学術会議の新会員候補の任命拒否問題などに触れ「憲法を無視した政治が行われることを危惧している」と強調。「12月8日を機会に憲法を読んで、現在について考えてもらえたら」とあいさつした。参加者は黙とうして平和の願いを込めたキャンドルを碑に手向け、戦争犠牲者を追悼した。
 活水高平和学習部の1年生3人も参加し、不戦の誓いを読み上げた。増浦華さん(16)はコロナ禍が世界に広がる現状を踏まえ「果たして平和と言えるのか。この時期だからこそ手を取り合い、もっと多くの人が『自分たちにできることはなにか』と考えることが大切だ」と語った。
 集いは終戦の日の8月15日と12月8日に毎年開かれており、77回目。

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