「島おこしの拠点」信念に 壱岐市立一支国博物館館長 須藤正人さん

安心安全を第一に館内の消毒と清掃に力を入れる須藤館長=壱岐市芦辺町、一支国博物館

 壱岐市立一支国博物館は3月14日、開館10周年を迎えた。その日は、初となる長崎県、市、同館合同の特別企画展の開幕日。記念すべき日となるはずだったが、県内で1例目の新型コロナウイルス感染者が壱岐で確認され、午後からの閉館を余儀なくされた。
 開館以来、館長を務めてきた。それだけに衝撃は大きかったが、表情には出さず冷静に対策の指示を出し続けた。「現場で動いている若い人が一番ショックだったはず」。立ち止まっている時間はなかった。
 その後も感染者の判明が続き、延べ32日間閉館。その間も、再開に向けた準備を怠らなかった。その一つが館内の徹底した消毒と清掃。現在も閉館時刻を30分早め、スタッフ全員での清掃時間に充てている。
 コロナ禍で多くの博物館が企画展を中止する中、一支国博物館は開催延期はしながらも開いている。「博物館は島おこし拠点として建てられた。しなびていたら、建設の意義をかなぐり捨てるようなもの。われわれは元気でいなければいけない」という思いからだ。その信念で、これからも安心安全を第一に、来館者を迎える。

© 株式会社長崎新聞社