ナマコ漁解禁 「琴俵」ブランド化図る 大村市漁協

計量されたナマコを一つの水槽にまとめる漁業者=大村市杭出津1丁目、市漁協

 大村湾の冬の味覚、ナマコ漁が22日、長崎県大村市沿岸で解禁され、漁師たちが早朝から一斉に沖に出て漁を開始した。
 波が穏やかな大村湾で育ったナマコは身の柔らかさが特徴で、正月の縁起物として年末に高値で取引される。市内の昨年度の水揚げは約40トン。多くは県内や福岡に出荷されるが、昨年度から東京の有名日本料理店でも使われているという。
 大村市漁協前からは約30隻の漁船が出港。重りのついた幅2メートルほどの網を船で引く「桁引き」で海底のナマコを狙った。解禁の午前8時になると漁船から一斉に網が降ろされ、1時間にわたり漁が続いた。
 初日は約360キロを水揚げ。本年度から市内で水揚げされたナマコは「琴俵(ことだわら)」の名称で出荷し、ブランド化を図る。同漁協の松尾貢組合長は「初日は例年より少なめだったが、大きさは良い。これから寒くなると取れる量が増え、身もさらに柔らかくなるので、琴俵の名称と共に多くの人に届けば」と話した。漁は1月下旬ごろまで続く。

ナマコが入った網を引き上げる漁業者ら=大村湾

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