平和学習を地元で 川棚・小串小4年 魚雷発射試験場跡を見学

戦時遺構ガイド(右)の説明を聞く児童=川棚町

 長崎県東彼川棚町立小串小の4年生36人が17日、同町三越郷の軍事遺構、片島魚雷発射試験場跡を平和学習で訪れ、施設の歴史や役割を学んだ。
 例年は長崎市の原爆資料館などを見学しているが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり見合わせていた。同町には戦前から戦中の軍事遺構が点在し、地元の平和教育に活用してほしいとの要望が地域から寄せられており、本年度初めて地元の軍事遺構を本格的に平和教育に取り入れた。
 片島魚雷発射試験場跡は1918年に開設された軍事施設の遺構で、大戦末期まで旧海軍の魚雷の性能点検が行われた。この日は、戦時遺構ボランティアガイドの貢修さんと村井達己さんが敷地内を案内し、戦時中の訓練の様子などを説明。貢さんは「戦争の歴史を次世代に伝え、争いのない世界にしてほしい」と児童に語りかけた。
 嵯峨根健介君(10)は「戦争の愚かさや命の大切さを感じられた」と話していた。26日には新谷郷にある旧海軍の水上特攻艇「震洋」の訓練所跡を見学する予定。

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