海自護衛艦「あさゆき」退役 佐世保母港に33年 乗組員ら別れ

退役に伴い、艦番号が消される護衛艦「あさゆき」=佐世保市、倉島岸壁

 就役以来約33年間、長崎県佐世保を母港に活動した海上自衛隊の護衛艦「あさゆき」(3050トン)が16日、老朽化のため退役した。長崎県佐世保市の倉島岸壁で自衛艦旗が返納され、乗組員らが艦に別れを告げた。
 あさゆきは1987年就役。95年の阪神淡路大震災で物資の運搬に従事したり、2009年に平戸沖で起きた巻き網漁船沈没事故で乗組員の捜索に当たったりした。
 返納行事には約60人が出席。中永浩幸艦長が出口佳努・佐世保地方総監に自衛艦旗を手渡した。出口総監は「歴代艦長と歴代全ての乗組員に対し敬意を表する」と訓示。式後、中永艦長は報道陣に「荒波を乗り越えてくれてありがとうという気持ちでいっぱい。仲間たちと任務を達成できたことに感謝している」と感無量の様子で語った。
 初代艦長の土手義孝さん(80)=広島県呉市在住=は「『ごくろうさま』のひと言に尽きる。(初代艦長は)人生で一番光栄なこと」と振り返った。
 あさゆきは、国内の解体業者に売却予定。JR佐世保駅にいかりの展示が計画されている。


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