明治期テーマ新作たぬき絵 堤けんじさん 「蝶々夫人」や「お菊さん」題材

明治期の長崎などをテーマにした作品を完成させた堤さん=長崎市役所

 タヌキを擬人化した独特の「たぬき絵」の作家、堤けんじさん(70)=長崎市八幡町=が、明治時代の長崎などをテーマにした新作を完成させた。11月下旬に新作をまとめた画集を出版し、来年2月以降は市内などで個展を開く計画だ。
 新作は、明治期の長崎を舞台にしたオペラ「蝶々夫人」やフランス人文豪ピエール・ロチ(1850~1923年)が長崎の滞在日記を基に書いた小説「お菊さん」がテーマ。いずれも水彩画で計約80枚。鮮やかな色合いで、明治期の諏訪神社や長崎港を歩くタヌキたちをいきいきと描いている。
 個展は来年2月に浜町の石丸文行堂で、同4月から5月にかけては元船町の長崎港ターミナルや五島市内で開く予定。新作に伴い製作した記念手拭い(1枚990円)も石丸文行堂で販売している。
 このほど長崎市役所で記者会見した堤さんは「江戸期はあったが、明治期を描いたのは初めて。(コロナ禍で)暗い気持ちの人に、少しでもこの絵を見て明るい気持ちになってもらえれば」と話した。

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