複合発電システム「メガミー」 海外初受注 三菱パワーの長崎工場製造

海外から初めて受注したメガミー(三菱パワー提供)

 三菱パワー(横浜市、旧MHPS)は29日、固体酸化物形燃料電池(SOFC)と小型ガスタービンを組み合わせた複合発電システム「MEGAMIE(メガミー)」1基をドイツの公的研究機関から受注したと発表した。海外からの受注は初めて。主に長崎市の長崎工場で製造する。
 メガミーは、燃料として天然ガスやバイオガスのほか、脱炭素化に有効な水素も使える高効率の熱電供給システム。既存電力網から独立した分散型電源にもなる。日本国内ではこれまで3社に3基を納入した実績がある。
 三菱パワーによると、ガス・熱研究所(独エッセン市)が地元の州や欧州地域開発基金の資金援助を受け発注した。長さ12メートル、幅3.2メートル、高さ3.3メートル、重量33トン。出力は1時間当たり210キロワットで、住宅約300戸相当の電気と熱を供給できる。2022年3月までに稼働する予定。
 同研究所は「再生可能エネルギーの割合が高いシステムは日照や風況で発電量が左右される。環境に配慮した方法で、確実かつ迅速に電気と熱を供給できる発電所が不可欠」とコメント。三菱パワーは「革新的な発電技術とソリューションにより持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する」としている。

 


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