長崎・小浜高 東日本震災被災地へエール 古関さん作曲の校歌で

古関氏が作曲した校歌を合唱する生徒=雲仙市、小浜高

 「長崎の鐘」などを生み出した昭和を代表する作曲家、古関裕而氏(1909~89年)が校歌を手掛けた長崎県雲仙市小浜町の県立小浜高(藤原勝志校長)でこのほど、全校生徒約150人が東日本大震災被災地へエールを送るプロジェクトの一環で校歌を合唱した。収録映像は今月31日の同校文化祭で上映するほか、11月5、6日に都内で開かれる「よい仕事おこしフェア」で披露される。
 同校は、古関氏の出身地で、大震災被災地の福島県を応援しようと全国の信用金庫でつくる同フェア実行委が企画する「古関メロディーで日本を繫(つな)ごうプロジェクト」に参加。同校のほか、古関氏が校歌や社歌を作曲した計約20の学校・企業が映像を寄せている。フェアで上映される映像は各校・企業の合唱をまとめたダイジェスト版(約5分)になる。
 小浜高の校歌は62年制作。民謡「島原の子守唄」や著作「まぼろしの邪馬台国」で知られる島原市出身の作家、宮崎康平氏(1917~80年)が作詞した。作曲は当時の校長が親戚を通して、古関氏に依頼したという。同校には古関氏直筆の楽譜のコピーが残っている。
 収録は、最初に体育館で吹奏楽部の伴奏に合わせて生徒が歌って録音。校庭で改めて合唱し、その様子を撮った。藤原校長は「古関さん作曲の校歌を合唱する姿を映像に残せるのは光栄なこと。生徒たちもその思いで、被災地を元気づけようと、明るく元気に歌った」。吹奏楽部の1年、井上和英さん(16)は「新型コロナでつらい思いをしている人たちにもエールを送れるよう、全力で演奏した」と話した。

古関氏直筆の小浜高校歌の楽譜のコピー

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