ドローン活用で漁業活性化 高校生が操縦技術学ぶ

ドローンの操縦方法や動画編集の技術を学ぶ生徒ら=県立鶴洋高

 長崎県立長崎鶴洋高(長崎市末石町)で5月下旬から、3年生13人が小型無人機ドローンの操縦技術を学んでいる。本年度中に同校周辺の三和地区などの藻場を上空から撮影し、藻場の範囲や成育の過程を記録するほか、災害現場での実証実験を検討している。地域漁業の活性化や、災害時の支援に役立てる狙い。
 操作技術を身に付けることで将来の仕事に役立て、ドローンを活用した地域の活性化につなげようと、5月から授業のカリキュラムにドローン講習を加えた。
 受講している3年生13人は、7月下旬にドローン検定3級を受検し全員合格。10月上旬には人口密集地や禁止区域での飛行も可能になる国土交通省の許可も得た。同校によると、県内の県立・市立高校では初めてで、国内でも高校生が許可を得るのは珍しいという。
 同校によると、県内では魚の生息や産卵の場になっている藻場が減少傾向にある。実証実験は、藻場の範囲確認のほかに、ちぎれて流れる藻に浮遊するブリやハマチの稚魚を捕って養殖する「モジャコ漁」などに活用する。ドローンで上空から藻場を確認し、海上で場所を探す船に指示を出すことで不要な移動が減り、船の燃料消費を削減。漁の効率化で漁獲量の上昇につなげることができるという。同校では今後、海中からの藻場の観察を目的に、水中を撮影できる水中ドローンも導入する予定。
 同校水産科3年の宮崎康輔さん(18)は「いろいろな角度から人が行けない場所を撮影できるのはドローンの強み。地域の水産の発展にさらに生かしていきたい」と話した。
 23日には、同校の生徒9人がドローンを操縦して、同市脇岬の砂浜を撮影した。撮影した映像を基に、野母崎地区などの魅力を発信するPR動画の作成につなげる。

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