食や命の大切さ学ぶ 五島海陽高生 地鶏農園で実習

地鶏「しまさざなみ」に餌を与える生徒=五島さざなみ農園

 長崎県立五島海陽高(古川賢一郎校長)の3年生23人が、五島市内の事業所12カ所で長期の職場実習に取り組んでいる。同市堤町の「五島さざなみ農園」には男子2人が通い、飼育や出荷作業などの業務を通じて食や命について学んでいる。
 同農園では、シャモとプリマスロックを掛け合わせたブランド地鶏「しまさざなみ」を約2千羽飼育。同校の田端勇斗さん(17)と弓川弥喜さん(17)は、鶏舎の清掃や餌やりをはじめ、出荷前に地鶏を絞めて解体する業務も体験している。農園責任者の森田良太郎さん(47)は「ふ化して大きくなるまで育て、最後には締めてさばく。命と向き合う仕事だと学んでほしい」と語る。
 田端さんは「締めて食べるところまで経験し、あらためて命の大切さを学んだ」、弓川さんは「こうした仕事のおかげで鶏肉を食べられて、自分たちが生きているのだと分かった」とそれぞれ話した。
 仕事への理解を深める同校の「デュアルシステム」の一環。地域振興系列の生徒が5月から11月まで、週1回の実習に取り組む。

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