コロナ禍避難 質問相次ぐ 松浦で長崎県原子力安全連絡会 3密回避へ対応説明

コロナ禍での原子力災害時の避難などについて意見を交わす県原子力安全連絡会=松浦市市民福祉総合プラザ

 長崎県の原子力安全連絡会が19日、松浦市志佐町の市民福祉総合プラザであり、関係者約30人が出席。市民の代表からは、新型コロナウイルス感染拡大の中での避難や避難所の在り方、避難道路の整備を求める質問や要望が相次いだ。

 同連絡会は九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から半径30キロ圏内に含まれる松浦、平戸、壱岐、佐世保各市の自治体、市民や各種団体代表と県、九電で構成。原子力防災対策情報を共有し、九電と自治体、市民が意見を交わす場として毎年、各市で開いている。
 冒頭、県が職員による環境放射線モニタリング業務でのデータ偽造、九電が定期検査中の玄海原発3号機の屋外に設置していた仮設ケーブルで火災があったことについて謝罪した。
 県は昨年度の県原子力防災訓練の実施状況や、11月7日に実施する本年度の同訓練の概要、コロナ禍での避難対策などを説明。松浦市が昨年の連絡会以降の取り組み、九電が同原発1、2号機の廃炉作業の状況や3、4号機の安全対策などを報告した。
 県はコロナ禍での避難について、内閣府の指針を基に検温や消毒などの感染症対策をした上で、3密を避けるため避難用のバスの増台や集合場所、時間の変更などの対応を説明した。
 原子力災害時の松浦市民の避難先は30キロ圏外の東彼3町。出席者からは社会的距離を確保しながらの避難について、原子力災害と台風などの自然災害が同時に起きた場合、避難先で避難所が不足するのでは、と懸念する声が出た。コロナ禍での避難所の在り方や設置数、運営が現状の計画のままで良いのかシミュレーションが必要との意見もあった。

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