動画作成 原爆の悲惨さ発信 旧城山国民学校校舎 焦げた木れんがなど紹介

原爆の熱線により黒く焦げた木れんがなどを紹介する動画の一場面

 長崎市立城山小(城山町)にある被爆遺構で、国指定史跡「長崎原爆遺跡」の一つの「旧城山国民学校校舎」を指定管理する「城山小学校被爆校舎平和発信協議会」(山口政則会長)などは、同校舎に展示している資料などを紹介する動画を作成した。コンクリートの壁に埋め込まれ、原爆の熱線により黒く焦げた木れんがなどを紹介している。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、被爆地を訪れる修学旅行生などが減少する中、原爆の悲惨さを発信しようと制作を決めた。6月上旬から検討を始め、3回の撮影を経て9月末に完成した。
 動画では、同会のメンバーが展示物などを解説。黒く焦げた木れんがのほか、被爆当時の児童が校内で収集した瓦や瓶、石などの被爆遺物や、1945年10月ごろに爆心地付近を撮影したパノラマ写真などを紹介している。
 同会のメンバーで週に2度、同校舎を案内している被爆者の池田松義さん(82)は「動画を見て『現地に行ってみたい』と思ってもらい、実際に原爆遺構を見て、平和を感じてほしい」と語った。
 動画は、動画配信サイト「YouTube」で配信している。

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