「ヒバクシャへの冒瀆」 長崎県内被爆者ら批判

 日本が国連総会に提出する核兵器廃絶決議案で、今年も核兵器禁止条約に言及していないことについて、長崎の被爆者からは15日、「世界中のヒバクシャに対する冒瀆(ぼうとく)だ」などと厳しい批判の声が上がった。
 長崎市滑石3丁目の被爆者、山川剛さん(84)は「日本政府は日米同盟と核禁条約をてんびんに掛け、日米同盟を選んだ。(核兵器廃絶を願う)世界中のヒバクシャに対する冒瀆(ぼうとく)だ」と苦言を呈した。
 昨年の平和祈念式典で、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた同市晴海台町の山脇佳朗さん(86)は、「政府が核兵器禁止条約を批准する気が無いのが非常に腹立たしく、残念」と落胆。「唯一の戦争被爆国として米国に追従することなく、世界に向け率先して核兵器の禁止を主張してほしい」と訴えた。

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