歴史の町包む温かい光 長崎市 27施設をライトアップ

夜景の魅力向上のため、ほのかな明かりに照らされた眼鏡橋=長崎市

 長崎市は9月29日、眼鏡橋や諏訪神社など市内中心部の4地区27施設のライトアップを始めた。日没から午後10時まで毎日点灯し、長崎の歴史ある町並みを淡いオレンジ色の光が包む。
 JR東京駅丸の内駅舎などの照明をデザインした世界的照明デザイナーの面出薫氏が監修した。長寿命の発光ダイオード(LED)を採用し計478基設置。原爆投下などの長崎の歴史を踏まえ、光を見た人が自然と祈りをささげるような、目に優しい温かみのある光に統一した。
 点灯式が栄町の中島川公園であり、田上富久市長は「これからも長崎のまちづくりを進め、子や孫の世代が誇りにしてもらえる夜景にしたい」とあいさつした。兵庫県から出張で長崎を訪れた自営業の大樫明弘さん(65)は「シックで落ち着いた大人の光。(コロナ禍前の)活気のある観光地に戻っていってほしい」と期待を込めた。
 市は2017年5月に環長崎港夜間景観向上基本計画を策定し整備を進めている。昨年7月には「平和祈念像」をライトアップ。市内斜面地の整備も進めている。

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