長崎県内の基準地価 コロナで下落幅拡大

県内市町別の変動率

 長崎県が29日発表した7月1日時点の基準地価によると、全用途の平均は前年比マイナス1.1%で、23年連続下落となった。前年のマイナス0.7%から下落幅は0.4ポイント拡大。縮小傾向にあった下落幅が、新型コロナウイルス感染症の影響で11年ぶりに広がった。
 調査した渡辺浩一不動産鑑定士は「1月までは上昇が続いていたが、コロナを境に取引が様子見となり、以降よくて横ばい、あとは下落という形になった。商業地、観光地、高価格帯の住宅地が影響を受けている。コロナが収束しない限り、この傾向は続く」と分析した。
 住宅地は県全体でマイナス1.2%。下落幅が昨年から0.2ポイント拡大した。昨年22年ぶりに上昇した長崎市はマイナス0.3%と再び下落に転じた。市街地中心部は上昇傾向が継続する一方、斜面地や旧合併町は下落傾向が続き、地価の二極化が進んでいる。
 商業地は県全体がマイナス0.9%。昨年の0%から2年ぶりに下落した。長崎市、大村市、西彼時津町はプラスだったが、いずれも上昇幅が縮小。特に長崎市は昨年から3.2ポイント縮小となるプラス1.6%だった。近年、上昇幅が拡大していた長崎駅周辺や浜町のアーケードの伸び率が下がった。

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