長崎市内で、動物たちの“新たな命”の誕生が相次いでいる。新型コロナウイルス感染症の影響が続く昨今、世の中をほっと明るく照らしてくれそうだ。
▼ペンギン水族館
宿町の長崎ペンギン水族館には、ジェンツーペンギンのひなが新たに仲間入りした。
8月16日にふ化した。生まれたては97グラムで飼育員の手のひらに収まるほどの大きさだったが、生後約1カ月を過ぎ、9月18日時点で体長約40センチ、体重約2.5キロに成長。現在は子育て経験のある代理親ペンギンが育てている。
10月中旬から下旬ごろまで、ひな特有のふわふわした綿羽(めんう)に覆われた姿を見ることができるという。同館は今後も会員制交流サイト(SNS)やホームページでひなの成長具合の発信を続ける。担当者は「温かく成長を見守ってほしい」としている。
▼長崎公園
諏訪町の長崎公園では6月14日、オスのニホンザルの赤ちゃんが誕生した。母親の胸にぎゅっとしがみついている様子は、何とも愛くるしい。同園はまだ名前が決まっていない赤ちゃんザルのために、10月1~18日まで園内2カ所に「名前募集ボックス」を設置。思いのこもった名前を募る。
生まれた時の体重は200グラムほど。平均よりも少し小さかった。同時期に生まれた他の4匹は生後間もなく死亡。オスの赤ちゃんザルだけがたくましく育っている。
生後2カ月ほどがたった8月下旬になると母ザルのお乳だけでは物足りず、床に散らばった先輩サルが食べたエサのかけらを見つけてほおばり始めた。母ザルが食べる姿をじっと観察していた。
同園は、新型コロナウイルスの影響で来場者は例年から3割ほど減少。サルたちも寂しい日々を送っている。同園の下川美里所長は「赤ちゃんザルに名前をつけてもらい、みんなでかわいがってほしい」と願った。