季刊随筆「桟」150号 出版祝う 平戸・友の会会員

「桟」150号出版を祝う友の会会員=平戸市未来創造館

 平戸市民有志で発行を続ける季刊随筆「桟」の150号出版を祝う会が、同市岩の上町の市未来創造館ホールであり、「桟」友の会の吉居辰美会長ら会員20人が30年近くに及ぶ活動に思いをはせた。
 「桟」は1991年2月、元教員ら11人の有志が協力して創刊。当初は手書き、ガリ版刷りで毎月発行していたが、徐々にペースを緩やかにし、97年の52号から季刊発行となった。折々の思いを随筆や俳句、短歌などに込めた作品を掲載し、平戸の暮らしぶりの変遷もうかがえる。記念号はB5判、117ページ。校正を5回重ねる丁寧な編集で仕上げ、初めて製本を印刷会社に発注した。
 祝う会冒頭、吉居会長は「『桟』は地域の人たち、今を生きる自分たちと未来の人たち、それぞれをつなぐ架け橋になってほしいという願いが込められた。200号を目指したい」とあいさつ。友の会会員で記念号に文章を寄せた黒田成彦市長は「人と人とのつながりが大切と思い、つづっているが、文字での表現は難しい。『桟』が多くの人をつなぎ、発展していくことを願う」と祝辞を述べた。
 創刊号から投稿を続けている月岡和子さん(83)は「配られた分を自分で増刷して友人に配り、感想をもらうのが楽しみ。ずっと楽しく書いてこられた」と150号までを振り返った。
 「桟」150号記念号は300冊発行。会員配布分や図書館、関係先への寄贈分を除く約200冊を同市宮の町の寺山文書堂で販売している。800円。問い合わせは友の会会長の吉居さん(電0950.27.0338)。

季刊随筆「桟」150号記念号の表紙

© 株式会社長崎新聞社