対馬博物館、開館1年延期へ 建設予定地施設でアスベスト検出

2022年4月に開館が延期される対馬博物館の完成予想図。正面右の建物が博物館棟で、屋根が低い左の建物が交流棟(対馬市博物館建設推進課提供)

 長崎県対馬市は15日、県市が本年度末までの開館を目指し厳原町に建設している対馬博物館について、開館が2022年4月に約1年ずれ込む見通しを明らかにした。建設予定地の県立対馬歴史民俗資料館(対馬歴民館)からアスベスト(石綿)が検出され、除去に時間がかかったと市議会全員協議会で説明した。
 市博物館建設推進課によると、対馬博物館は展示室や県市の事務室がある博物館棟(延べ約4100平方メートル)と、正面玄関や市民交流展示室などがある交流棟(同約840平方メートル)の2棟を建設する。対馬歴民館前の駐車場を用地とする博物館棟は昨年8月に工事を終え、今年2月から事務室を先行して使用している。
 市は昨年9月に県から無償譲渡を受けた対馬歴民館を解体し、来年1月には交流棟を完成させる計画だった。しかし、外壁や床などにアスベストが含まれていたことが判明し、市は飛散防止工事をした上で、計画より5カ月遅れの今年8月末に解体工事を始めた。
 比田勝尚喜市長は取材に「アスベスト対策のほか、(両棟を接続する)外構工事なども追加したため、工期が延びた。年内にも交流棟の建設に着手したい」と話した。

 


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