集落とボランティアを仲介 長崎県が「中山間地域支援センター」設置 移住者や新規就農者の発掘、集落ビジネスにつなげる考え

県中山間地域ボランティア支援センターの役割

 長崎県は、耕作放棄地が増える県内の農山村集落と、自然環境保全に取り組む企業や学生、自治会などとを仲介する「県中山間地域ボランティア支援センター」を長崎市勝山町に設置した。集落と企業などとを結ぶセンターの設置は全国的にも珍しい取り組み。ボランティアに農業・農村の魅力を体験してもらうことで、交流人口を増やし、将来的な移住者や新規就農者の発掘、集落ビジネスにつなげたい考えだ。
 県が2017年度に県内約千カ所の集落を対象に実施した実態調査によると、「10年後、集落の維持が困難」と回答したのは72%に上り、理由として「高齢化や人口減少、担い手不足」が72%を占めた。集落の9割は具体的な対策を打てていないのが現状という。
 センターが募集するボランティアの活動内容は、あぜの草刈りや棚田まつりなど各種イベントの手伝い、伝統芸能の継承や新たな加工品の開発などを想定。県農山村対策室は「5年間でノウハウを蓄積し、ボランティアとセンター、集落の間で資金が循環する流れをつくりたい」と青写真を描く。
 センターは企業や学生、自治会などのボランティア、受け入れる集落を募集している。問い合わせは同センター(電095.895.8657)。

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