文書で回答なく「極めて不誠実」 石木ダム抗議、議連など

会見で抗議する炭谷川棚町議(中央)ら=県庁

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、超党派の「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」と市民団体「石木ダム・強制収用を許さない県民ネットワーク」は19日、県庁で会見し、県と同市に先月提出した抗議文に文書で回答しないのは「極めて不誠実」と抗議した。
 両団体は中村法道知事と朝長則男市長宛ての抗議文で、県に本体工事費の執行停止を要求し、市に「継続が妥当」と判断した事業再評価が「科学的根拠がない」などと抗議。強制収用で人権侵害が起きているなどとして事業見直しを求めた。しかし、期限に設定していた先月末までに県、市から「文書回答はしない」と通知があったという。
 同連盟共同代表の坂本浩県議は「極めて不誠実」と指摘。共同代表でダム建設予定地に住む炭谷猛川棚町議は「説明責任を果たさない姿勢は残念」と抗議した。
 一方、県河川課は「事前に抗議文の内容を示してもらい、県議会での知事答弁なども踏まえ、受け取った当日に口頭で回答している。広報紙などで事業の説明を続け、理解を求めていきたい」と説明。佐世保市も「当日に一定の説明はさせてもらった。県と協議し、今回は文書回答しないと判断した」としている。

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