対馬市沖で高級魚アカムツ(ノドグロ)などを漁獲する沖合底引き網漁が16日に解禁された。対馬有数の水揚げ地・厳原町佐須のアカムツはえ縄漁業者らでつくる「佐須漁業集落」は16、17の両日、山陰から出漁してくる底引き網業者と取り決めた「アカムツ資源保護区域」(約80平方キロ)内で操業していないか海上で監視した。
両日とも保護区域での操業は確認できなかったが、16日にアカムツの一部を海上投棄した船団があり、同集落の谷本松廣代表(70)は「対馬のアカムツ水揚げ量は年々減少している。資源保護厳守を申し入れたい」と話した。
水産庁九州漁業調整事務所などによると、沖合底引き網漁は8月16日から5月31日までが漁期で、対馬市沖から山口県萩市沖にかけてが操業区域。アカムツ資源保護区域は、夏場に産卵前の親魚が集まるとして2012年に対馬の漁業者側が山口県を中心とする底引き網業者に働きかけ、佐須沖に設定。9月15日まで双方とも保護区域内で漁獲しないと取り決めている。
佐須漁業集落は8月16日、保護区域外で操業していた底引き網の1船団が大量に漁獲したものの魚体の重みで船上に収容できず、網を破って一部を投棄したと確認した。厳原町漁協を通じて抗議し、船団が所属している山口県以東機船底曳網(そこびきあみ)漁協は17日、厳原町漁協に「(水揚げ用)マストが折れ曲がったことにより、網を揚げきれなかった。故意ではなく事故」と陳謝した。
高級魚ノドグロ 対馬市沖で沖合底引き網漁解禁 海上投棄した船団に抗議も
- Published
- 2020/08/18 11:00 (JST)
- Updated
- 2020/08/19 10:59 (JST)
© 株式会社長崎新聞社