体験継承「日常生活の一つに」 広島と長崎の大学生らオンライン議論

被爆体験の継承をテーマに議論を交わす大学生=長崎市出島町、出島交流会館

 若者の政治参加を目的に、全国約550人の大学生で活動するNPO法人「ドットジェイピー」長崎、広島両支部は15日、被爆体験を次世代に語り継ぐ方法を考えるオンラインイベントを開いた。広島と長崎の大学生ら約60人が参加し「原爆や戦争の話題をタブーにせず、日常生活の一つにする」などの意見が上がった。

 被爆地の大学で学ぶ若者に、平和や戦争について考えてもらおうと企画。5月下旬から長崎・広島両被爆地のメンバーで話し合いを重ねて実現した。
 イベントでは、学生から、被爆体験を継承するために「オンラインで広島・長崎・終戦の三つをテーマにした平和教育を被爆地から普及させる」「仮想現実(VR)で被爆体験を再現する」といった提案があった。
 平和活動に取り組む広島のNPO法人「ANT-Hiroshima」の渡部朋子理事長らも参加。被爆当時の広島の様子や、現在配備されている核兵器を使用した場合の被害者数などを解説した。
 同支部メンバーで長崎大2年の佐藤穂波さん(19)は「被爆75年を迎え、戦争を体験した方々が少なくなっている。若い世代が“継承”を考え、行動することが大切」と話した。

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