「対立でなく対話を」 ナガサキ不戦の集い 高校生が誓い

「核廃絶人類不戦の碑」の前で誓いを語る高校生=長崎市

 被爆証言の記録に取り組む「長崎の証言の会」などは15日、長崎市平野町の核廃絶人類不戦の碑の前で「ナガサキ不戦の集い」を開いた。被爆者ら約40人が参列。高校生が「対立ではなく対話によって、互いを理解しなければならない」と不戦の誓いを述べた。
 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(79)は、「黒い雨」訴訟で控訴した国の姿勢について「被爆体験者を苦しめる政策」と批判。新型コロナウイルス感染症では「国民一人一人が感染しないように行動している」として「戦争や平和も、自分のこととして考えてほしい」とあいさつした。参列者は戦争の犠牲者に黙とうし、花を手向けた。
 不戦の誓いは、活水高平和学習部の1年生3人が決意を述べた。塚本寧々さん(15)は、昨年長崎を訪れたローマ教皇フランシスコのメッセージを引用し「被爆者の話をしっかりと聞き、次の世代に語り継いでいくことが私たちにできる使命」と口にした。
 「ナガサキ不戦の集い」は毎年、終戦の8月15日と太平洋戦争開戦の12月8日に開いており76回目。

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