真珠湾攻撃の地で初の原爆展 写真パネルなど50点 11月末まで

写真パネルや被爆資料を展示している「ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展」=米ハワイ州、戦艦ミズーリ記念館(戦艦ミズーリ保存協会提供)

 長崎市は14日、米ハワイ州の真珠湾に係留されている戦艦ミズーリ記念館で「ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展」が現地時間13日に開幕したと発表した。被爆の実相を伝える長崎、広島両市の写真パネルや被災資料など50点を展示し、長崎の被爆者2人の体験を記した英訳資料を配布する。会期は11月末まで。
 太平洋戦争の戦端を開いた1941年12月の日本軍による真珠湾攻撃の地で初めての原爆展となった。ミズーリは45年9月の日本の降伏文書調印の舞台。長崎市被爆継承課は「現地では加害と被害の両面からいろんな意見が出てくると思う」と開催意義を説明する。
 会場には被爆前後の長崎と広島の街の様子や、原爆の構造と放射線などを解説する写真パネル、衣類や瓶などの被災資料が並ぶ。広島平和記念資料館の滝川卓男館長は「恐ろしい被害の現実に触れ、核兵器のない世界に向け共に歩むことを期待したい」とするメッセージを開会行事に寄せた。
 今年の被爆75年の節目に合わせて長崎、広島両市と戦艦ミズーリ保存協会が主催し、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が協力した。当初7~9月に開催予定だったが、新型コロナウイルス流行の影響で開幕が遅れた。

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