五島から飛ばしたヒマワリの種 八代で満開に 児童と夫婦の交流続く

崎山小の児童に届いた手紙と、ヒマワリに囲まれて笑顔を浮かべる本田さん夫妻の写真=五島市

 長崎県五島市立崎山小(川崎康校長、44人)の児童が風船に結び付けて飛ばしたヒマワリの種がこの夏、熊本県八代市の本田登さん(75)、マツ子さん(77)夫妻の自宅で美しく咲いている。風に乗った風船が、本田さん宅に舞い降りたのは昨年末。夫妻は児童と手紙での交流を続け、心を込めてヒマワリを育ててきた。
 児童は人権学習の一環でヒマワリを育て、採取した種を昨年12月、約60個の風船で空に放った。その一つが約160キロ離れた本田さん宅に届き、マツ子さんが感謝の手紙を児童に送ったことで交流が始まった。
 夫妻は2月下旬、1粒だけ無事に届いた種を植木鉢の土に埋めた。その後、同校から追加で送られてきた種もまき、毎日「大きく育ってね」と声を掛けながら大切に育てたという。7月20日から咲き始め、やがて数十本のヒマワリが満開に。夫妻は7月末、花に囲まれて撮影した笑顔の写真に手紙を添えて、再び崎山小に送った。
 同校によると、写真と手紙は8月4日の終業式で全校児童に披露され、子どもたちも喜んでいる様子だったという。
 本田さん宅は、7月の豪雨で氾濫した球磨川の下流近くにあるが、浸水被害は免れ、マツ子さんは「五島から届いた幸運の種のおかげ」と感謝する。花がしぼんだ後には種を採取し、友人や地元の小学校にも分けるつもりだという。

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