新上五島町長選で初当選した 石田信明さん(65) 希望を持てる島に

新上五島町長選で初当選した石田信明さん

 〈任期満了に伴う新上五島町長選で、新人同士の一騎打ちを制し初当選。今後の町政運営について聞いた〉

 -選挙戦を終えて。
 皆さんに選んでいただいた喜びとともに、重責に身が引き締まる思い。

 -町政の課題は。
 大きいのは人口減少。とにかく若い人を島に残し、島外から呼び込む。そのためには基礎となる仕事が必要。大企業誘致はハードルが高いが、インフラを整備しIT関連などに取り組む人たちを支援する制度をつくりたい。若い人が住むには子育て支援も必要なので、住宅環境を整備したい。基本は、移住者だけでなく町内出身者も結婚して子どもを産み住み続けられるよう、平等にやりたい。

 -新型コロナウイルス禍の中、交流人口拡大の方策は。
 今できることは情報発信。地元の人たちに地元の宿を知ってもらい、いいホテルや旅館がある、料理はこういうのがある、といった情報を出してもらう。お土産品も地元の人が買って送ってくれればいい。コロナ収束や、ある程度のめどが立ってから本来の観光をやる準備に、自粛の期間を利用しなければならない。

 -旧有川町時代から、職員として通算40年以上のキャリアがある。
 町の状況を把握できているので現場の声を聞き、突っ込んだ対策につなげられると思う。財政担当が長い。合併当初は財政の危機を経験した。将来を考え運営しないと、その場限りのことをしていても、今までしていた事業をやめたり、カットしたりせざるを得なくなる。税収が少ないが、地方債を活用しても、依存し過ぎはいけない。事業が地方に及ぼす経済効果と対比しながら考えていく。

 -理想の島にするため抱負を。
 住民の皆さんが住んでよかった、遠くに出ている人たちもここで暮らしたいと感じる島。あの島は若い人たちが頑張っているので、自分も何かチャレンジしてみようと希望を持てる島にできればと思う。

 【略歴】いしだ・のぶあき 1978年に旧有川町役場入り。2004年の合併後は、総合政策課長や副町長などを歴任。趣味は釣り。「(多忙になって)今までのように、好きなときに行けないかもしれない」。有川郷に家族と暮らす。

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