「長崎精霊流し」を改訂 長崎学研究所の土肥原さん、入江さん 概要やしくみなど分かりやすく

「長崎精霊流し 改訂版」を著した土肥原さん(左)と入江さん=長崎市桜町

 長崎市長崎学研究所の元所長、土肥原弘久さん(62)と同研究所学芸員の入江清佳さん(32)が、長崎の伝統行事、精霊流しの概要やしくみなどを分かりやすくまとめた「長崎精霊流し 改訂版」を出版した。2017年に出した初版に、戦後の精霊流しや、各自治会の精霊船の製作と運営、感染症流行に伴う盂蘭(うら)盆と精霊流しの時期の変遷を加筆した。
 改訂版は▽長崎の盂蘭盆▽盂蘭盆の時期の変遷▽精霊流しの歴史▽戦後(昭和~平成)の精霊流し▽現在の精霊流し▽催合船(もやいぶね)の製作と運営-の6章で構成。
 体系的な記録がほとんどなかった戦後の精霊流しや各町の催合船の構造と製作、運営などについて写真を多用しながら紹介。盂蘭盆の時期の変遷では、感染症流行の影響で盂蘭盆の時期がどう動いたかなどを新たにまとめた。
 書籍はA5判、306ページで350部を作製。図書館や大学などに寄贈したほか、好文堂書店(浜町)と長崎歴史文化博物館(立山1丁目)で一般販売している。1冊1800円(税別)。
 土肥原さんは「精霊流しの全体像が見える本は少なく、次世代に記録を残したい。分かりやすく紹介したので読んで興味をもってもらえれば」と話している。

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