元寇で戦った対馬の守護代 宗助国の騎馬像除幕

波打ち際で弓を放って奮戦する姿を再現した宗助国の騎馬像=対馬市、小茂田浜神社

 鎌倉時代の元寇(げんこう)で対馬に来襲した蒙古(もうこ)軍と戦い、戦死した対馬の守護代・宗助国(そうすけくに)の騎馬像除幕式がこのほど、助国らを祭る長崎県対馬市厳原町の小茂田浜神社であり、地元住民らが元寇で犠牲となった助国や島民をはじめ、蒙古兵らも慰霊し、平和を祈った。
 2度あった元寇のうち、文永の役(1274年)から2024年に750年の節目となることから、騎馬像は対馬歴史顕彰会会長で会社役員の武末裕雄さん(76)=同市上対馬町=が私費を投じて寄贈。除幕式で武末さんは「勇猛果敢に戦われた助国公に今後も対馬を守っていただければ」と述べた。
 文永の役では、蒙古軍が数万の大軍を引き連れて小茂田浜に来襲。助国は島民を守るためわずか80余騎で迎え撃ったものの、全滅したと伝えられている。
 騎馬像は青銅製で高さ4メートル、重さ2トン。台座も含めると高さ7.7メートルで、波打ち際で弓を放って奮戦するよろいかぶと姿の助国の姿を表現している。
 除幕式は地元の小茂田地区(斉藤正敏区長)が開催し、当時の武士に扮(ふん)した氏子ら約150人が参列。宗家子孫の宗中正さん(60)=千葉県柏市在住=は「人類の平和への願いと、苦難に立ち向かう勇気の象徴として、これからの対馬を担う子どもたちを長く見守り続けていくことを願っています」とのメッセージを寄せた。

宗助国公騎馬像の除幕式に参列した小茂田地区の住民ら=対馬市、小茂田浜神社

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