「すべての人 忘れない」元独軍人クラマーさん 長崎へ追悼の旅

原爆落下中心地碑を訪れたクラマーさん=長崎市、爆心地公園

 世界各地の戦跡への慰霊の旅を続けている元ドイツ軍人、ギャード・クラマーさん(52)=大阪市=が7日、長崎市松山町の爆心地公園で原爆犠牲者を追悼した。クラマーさんは「戦争で命を落としたすべての人を忘れない」と話した。
 戦争で多くの人命が奪われた歴史を自身の活動を通して伝えようと、2015年から毎年一回の慰霊の旅を始めた。これまでにフランスやベルギーなど9カ国の100カ所以上を巡っている。
 今年は長崎と広島の両被爆地を訪問。7月16日に大阪を出発し、広島まで野宿をしながら約300キロを歩いた。墓地や慰霊碑にその土地の木々を集めて手作りした花輪を手向け、取り組みを会員制交流サイト(SNS)で発信している。
 次の目的地は鹿児島と沖縄。「終戦の日」の15日のゴールを目指している。

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