投下機乗員米軍人の孫の講演配信 西海・西彼杵高

西彼杵高生が共感したスピーチを配信したオンラインイベント=西海市、同校(TEDxSaikai提供)

 長崎県立西彼杵高(西海市大瀬戸町、松尾修校長)の生徒会は8日、広島、長崎への原爆投下で爆撃機に搭乗した米軍人の孫、アリ・ビーザー氏ら生徒が共感した識者の講演の動画をオンライン配信するイベントを開いた。新型コロナウイルス禍の中、新たな情報発信に挑戦した。
 イベントは「良いアイデアを広めよう」を理念とした米国発祥のスピーチイベント「TED」の西海版「TEDxSaikai(テッドエックスサイカイ)」の一環。長崎大の金谷一朗教授らが2018年に始め、西彼杵高の生徒もスタッフとして参加してきた。
 この日は生徒会と顧問の計13人が司会や中継など舞台裏を担当。ビーザー氏の講演は1回目の「TEDxSaikai」を収録したもので、「精神的な対立を乗り越え、核兵器廃絶を。お互い人間なのだから」との思いを伝えた。約50人が視聴した。
 司会を務めた生徒会長の3年、大谷征士さん(17)は「ビーザー氏のほかにも、感染症や芸術家のスピーチも紹介できた。伝えたいことを形にできたと思う」と話した。

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