「憲法9条を宝物に 平和な未来を」 原水爆禁止長崎県民会議 

核廃絶実現を訴えた県原水禁の長崎集会=長崎市魚の町、市民会館

 長崎原爆の日を前に、原水爆禁止県民会議(県原水禁)主催の原水禁長崎集会が8日、長崎市内で始まった。被爆者や高校生を含む約210人が参加し、日本政府に核兵器禁止条約の早期批准と核廃絶に向けたリーダーシップを取るよう求めた「ナガサキアピール」を採択した。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の原水爆禁止世界大会長崎大会がオンライン開催となったのを受け、県原水禁が独自に集会を開いた。
 県原水禁の山下和英副会長はあいさつで「被爆75年の節目に世界から参加者を招けず悔しい。できることをして意義を受け継いでいきたい」と強調。原水禁の川野浩一議長は「戦争は絶対にしないというのが私たちに課せられた役割」と訴えた。
 核廃絶を求める署名を国連機関に届ける高校生平和大使らは「私たちの思いは一つ。核兵器の廃絶と平和な世界の実現」と決意新た。長年、長崎から被爆者運動、平和運動をけん引してきた被爆者の下平作江さん(85)は講話で、「いかなる理由があっても戦争はいけない。戦争を放棄した憲法9条を宝物にして、平和な未来をつくってほしい」と呼び掛けた。
 毎年、原水禁系とは別に長崎大会を開催している原水爆禁止日本協議会(原水協)は、コロナ問題を受け、9日午前10時からオンラインで大会を開く。

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