「客引き行為」規制対象に 長崎県警、条例の一部改正へ

長崎県警察本部

 風俗環境の浄化を目的として、長崎県警が5日までに県迷惑行為等防止条例の一部を改正し、通行人に声を掛けて店に勧誘する「客引き行為」を規制する方針を固めたことが県警への取材で分かった。本年度中の改正を視野に調整を進めており、改正されれば飲食店のほか風俗店の無料案内所、エステ店の店員による声掛けなどの客引き行為が規制対象となる。
 同条例の改正は昨年1月に盗撮やのぞき見の規制場所を拡大して以来となる。
 県警では現在、執拗(しつよう)につきまとったり腕を引っ張ったりするなどの悪質な客引きに対しては、同条例や風営法で摘発している。昨年は長崎市中心部の思案橋・銅座地区で中国エステ店従業員による執拗な客引きなどを摘発した。
 客引き行為を規制する動きは全国で広がっており、熊本市では昨年4月に指定区域で客引き(客待ちを含む)を一切禁じる条例を施行した。関係者によると、本県でも長崎市の繁華街を中心とした客引き行為の規制を求める声は5年ほど前から上がっていたという。
 県警は規制に先駆け、昨年12月に長崎署で無許可の接待行為や客引き、暴力団関与の撲滅に向け官民連携を図る「風俗環境保全協議会」を設立。今月4日には佐世保署で県内2カ所目となる同協議会を設立した。
 県警は今後、客引き行為と併せて「客待ち」行為に関しても規制の対象に含めるかどうか慎重に検討を進める。新型コロナウイルス禍により飲食業などへの経済的影響は大きく、県警は「経済面への影響とバランスを慎重に見て、規制範囲を定めたい。風営法で規制対象とならない行為の取り締まりが、本県は他県と比べて遅れていた。なるべく早く県議会に改正案を提出したい」としている。

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