「笑顔いっぱいの世の中を」 原爆殉難教え子と教師の慰霊式 長崎

原爆で犠牲になった児童生徒や教員らを悼み献花する参列者=長崎市、県教育会館

 長崎原爆で犠牲になった児童生徒と教職員ら計5529人を追悼する「原爆殉難教え子と教師の慰霊式」が3日、長崎市八百屋町の県教育会館であり、約20人が平和への誓いを新たにした。
 慰霊式は、県内の校長会や教職員組合などが1982年8月3日に「原爆殉難教え子と教師の像」を市平和会館(平野町)前に建立したことをきっかけに、像の維持委員会が毎年開催している。例年、市内の児童生徒ら400人以上が参列しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小した。
 参列者は午前11時2分に合わせ全員で黙とう。維持委員会の小田恒治委員長が「例年のように、多くの児童生徒の笑顔や息遣いがないのは寂しいが、どんな状況であってもこの慰霊式は守り続ける決意だ」と慰霊のことばを述べた。
 児童生徒代表によるビデオメッセージも会場に映し出された。市立西町小5年の森川雪菜さん(10)は「戦争は大人や子ども関係なく、全ての命を奪う恐ろしい行為だ。私たちにはこれからの未来をつくる責任がある。いつの日か核兵器のない笑顔いっぱいの世の中にしたい」と力強く語った。

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