平和活動継続 在り方考える 若者ら意見交換

今後の平和活動について考えたパネルディスカッション=長崎市、長崎原爆資料館

 長崎市で1日開かれた国際平和シンポジウム(同市など主催)では、「戦後100年まで続く平和活動をつくる」をテーマにしたパネルディスカッションもあった。平和活動に取り組む若者ら4人が意見を交わし、その在り方などについて考えた。
 県内外の学校などで、出前平和講座に取り組んだ経験がある光岡華子さん(24)=長崎大大学院2年=は平和活動を続けなければ、原爆投下など戦争の歴史から若い世代が学ばなくなると指摘。「同じ過ちを繰り返すことにつながるかもしれない」と活動の必要性を語った。
 広島市から参加した田中美穂さん(25)は、自身が所属するNPO法人が広島の平和記念公園などを巡るツアーを有料で実施していることなどを紹介。「活動を継続拡大し、関心のない人にも興味を持ってもらうために(有料で)やっている」と説明した。
 核兵器禁止条約への批准を各国に求める「ヒバクシャ国際署名」事務局のキャンペーンリーダーで、長崎市出身の林田光弘さん(28)=川崎市=は、平和活動の「産業化」について、「議論はあるが、社会人になった途端に『平和活動では食べていけない』と断念する人を何度も見てきた」と強調。「平和活動のプロフェッショナルを育てるためお金が必要という議論を、広島や長崎で官民一体となって進めていかないといけない」と訴えた。
 平和について考えるウェブメディア編集長の岡山史興さん(35)=富山県舟橋村=は「高校生1万人署名活動」の立ち上げメンバーとしての経験などを踏まえ「平和活動をすることが、プロ野球選手を目指すことと同じように、一つの『生き方』として応援されるような土壌づくりが重要だ」と語った。

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