波佐見 意地の12安打 3年ぶり頂点届かず

【準決勝、波佐見-鹿町工】5回表波佐見1死一、二塁、長岡が右前へ適時打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 予測外のプレーで逆転負けを喫した波佐見。昨秋の1回戦で敗れた相手に、3年ぶりの夏の頂点への道を阻まれた。得永監督は「大会を通して選手たちは成長を見せてくれた。ただ、条件はどこも同じだが、コロナ禍での実戦不足が最後に響いた」と残念がった。
 2点リードの五回から登板した主将の平石が七回に1点差とされ、なお1死二、三塁から「まったく頭になかった」2点スクイズで試合をひっくり返された。その直後の八回2死二、三塁の好機では遊ゴロに終わり、チームリーダーは「せっかく自分に回してもらったのに、期待に応えられなかった」と目を赤くした。
 それでも、チームは五回の4安打をはじめ、4戦連続の2桁となる12安打で意地を見せた。この回安打を放った辻村、長岡に加えて前田、高村の4人の弟、赤木の妹はいずれも1年生で、選手、マネジャーとして新チームに残る。3安打と気を吐いた辻村は「甲子園のチャンスはあと4度ある。絶対に諦めず、かなえてほしい」と願いを込めた。


© 株式会社長崎新聞社