対馬市「SDGs未来都市」に 国選定、県内2件目 海ごみ再資源化を構想

対馬市沿岸に大量に漂着している海洋プラスチックごみ=2019年6月8日、同市美津島町

 対馬市は21日、環境問題などに意欲的に取り組む自治体を国が支援する本年度の「SDGs未来都市」に同市が選定されたと発表した。海ごみの再資源化を企業と連携して進める構想が評価されており、同市は事業費の半額を国が補助する「地方創生推進交付金」の年間申請事業数(市町村区は上限5)が本年度から一つ追加可能となる。
 内閣府によると、SDGsは2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」のこと。エネルギーや気候変動など17の国際目標があり、国連加盟国は30年までの達成を目指している。SDGs未来都市は内閣府が18年度から選定を始め、本年度は17日付で全国33都市を選んだ。県内では18年度の壱岐市に続き2件目。
 対馬市によると、対馬には毎年約2万立方メートルのごみが海岸に漂着しており、このうち約3割がプラスチック。市は毎年約3億円かけ海ごみを拾っているものの全量回収は難しく、環境への影響が懸念されていた。
 そこで同市は18年度から国内企業1社と連携して回収したプラスチックをリサイクルし、日用品の容器として製品化する研究に着手。国への提案では、30年時点でリサイクル企業を増やし、環境配慮型の経済について学ぶ体験学習のツアー客を島外から招くことなどを目指している。
 同市の担当者は「リサイクル品は環境配慮・貢献型商品としてアピールすることで企業価値も向上する。地域経済を活性化するとともに海洋ごみの回収増につなげ、地球環境の改善に貢献したい」としている。

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