被爆2世支援 国民的課題に 全国連絡協、長崎でシンポ

被爆2世運動の展望などを考えたシンポジウム=長崎市、長崎原爆資料館ホール

 被爆者の子でつくる全国被爆二世団体連絡協議会などは18日、2世への被爆者援護法適用拡大や核廃絶に向けた運動の展望について考えるシンポジウムを長崎市内で開いた。登壇者からは、法的な支援制度がない2世問題を国民的課題に押し上げていくことや、世界の核被害者との連帯を求める意見が挙がった。
 パネリストは同協議会会長の崎山昇さん(61)、同協議会特別顧問の平野伸人さん(73)、県被爆二世の会会長の丸尾育朗さん(72)の3人。
 2世への支援を巡っては、長崎、広島の2世が被爆者援護法の適用を求めた集団訴訟が係争中。丸尾さんは2世だった50代の職場の同僚らを相次いでがんで失った経験を語り、「放射線の影響は2世にも及ぶと考えざるを得ない。戦後生まれの2世が戦争責任を負わされ続けている」と訴えた。
 崎山さんは「私たちの運動は世界の核被害者の次世代の問題解決にもつながる」と強調。原爆だけでなく、原発事故の被害者らとも連帯することで核廃絶にもつながっていくとした。
 平野さんは「長崎、広島だけの問題になっており、国民的課題に押し上げていくことが必要。3、4世代への影響の問題も放置できない」とした。
 シンポジウムは被爆75年を記念し開催。約20人が参加した。次回は8月8日午前10時~11時半、県勤労福祉会館(長崎市桜町)で開く。

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