感染者数計39人 長崎県内、病床確保数「フェーズ2」へ

新型コロナウイルスの感染者について記者会見する県の伊藤幸繁医療政策課長(右)と中田勝己福祉保健部長=県庁

 長崎県は18日、諫早市の30代無職女性、東彼東彼杵町の60代農業男性と60代農業女性の3人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。佐世保市も20代男性海上自衛官、長崎市も20代女性会社員ら2人の感染をそれぞれ明らかにした。県内の感染者は新たに6人増えて計39人となった。
 県は感染状況に応じて病床確保数を定めた4段階の「フェーズ」について県本土を「1」から「2」に近く移行する方針を固め、感染者が相次いでいる長崎と県央の両医療圏の医療機関に病床の確保を要請した。
 諫早市の専門学校長崎就職支援カレッジは同日、30代無職女性が同校の訓練生と明らかにした。また16日に感染が確認された同市の40代無職女性も訓練生で、2人は同じクラスに所属。最近では12、13両日に共に授業を受けた。2人はそれぞれ車で通学し、同校近隣には住んでいないという。いずれも軽症で指定医療機関に入院している。
 2人のクラスの他の13人と隣のクラスの12人の計25人の全訓練生、8人の全教職員はすべて陰性だったという。26日まで自主休校する。奥田修史校長は「社会的責務から校名を公表した。これまでも換気やマスク着用、手指消毒などに取り組んできたが、今回の感染を受け、専門業者を交えて施設の徹底消毒や感染防止対策に取り組んでいる」と話した。
 県によると、30代無職女性は6日に発熱し、2週間さかのぼって県外移動はない。濃厚接触者である家族1人と、訓練生を含む接触者18人は陰性だった。東彼杵町の60代農業男性と60代農業女性の2人は40代無職女性の濃厚接触者。2週間さかのぼって県外移動はない。2人は味覚障害などの症状があるが軽症。指定医療機関に入院している。40代無職女性の他の接触者ら46人は陰性だった。
 一方、佐世保市によると、20代男性海上自衛官は部隊運用上の検査で陽性反応があり、18日の再検査で確認。無症状だが、市内の指定医療機関に入院した。家族や同僚ら濃厚接触者ら9人はすべて陰性。防衛省海上幕僚監部広報室によると、海上自衛官の感染は全国で5人目。艦艇乗組員かどうかは明らかにしていない。同市は「大きなクラスター(感染者集団)につながることはない」とみている。
 長崎市で感染が確認された2人のうち1人は、クラスターが発生した長崎みなとメディカルセンターの入院患者の感染者が一時入所していた市内施設の関係者だった。14日の検査で陰性だったが、17日に38度台の熱が出て、再検査で陽性を確認した。施設関係者33人のうち2人目の感染者となった。
 もう1人は市内の20代女性会社員で感染経路は不明。15日以降、背中の痛みや倦怠(けんたい)感があり、17日に発熱し、検査で陽性を確認した。16日まで会社で働いており、バス通勤時はマスクを着用していたという。市は接触者8人を中心に検査を進める。
 県の中田勝己福祉保健部長は会見で「現時点で感染が市中にまん延している状況とは考えにくいが、それぞれの感染経路をしっかり調査したい」と述べた。

 


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