沖縄と長崎 対話で実相学ぶ ウエスレヤン大生 戦争、原爆 学生の意識調査

沖縄戦と長崎原爆の実相を学ぶプロジェクトを進める(左から)小原さん、新垣さん、林田さん=諫早市西栄田町、長崎ウエスレヤン大

 第2次世界大戦中の沖縄戦の実相と長崎への原爆投下の被害を両県の若い世代に知ってもらおうと、諫早市の長崎ウエスレヤン大生が戦後・被爆75年の今年、「オキナワとナガサキの対話~平和プロジェクト~」に取り組んでいる。学生の意識調査や実地調査などを通して、75年前、沖縄と長崎で起きた事実に真摯(しんし)に向き合おうとしている。
 プロジェクトを進めているのは社会福祉学科3年の新垣海里さん(21)、小原渚さん(21)、林田麻愛さん(20)。
 沖縄県伊江村出身の新垣さんは入学後、沖縄で登校日になっている6月23日の慰霊の日が長崎県で知られていないことに衝撃を受けた。同時に、長崎への原爆投下に関する知識がないことを自覚した。
 そこで、五島市出身の小原さんと諫早市出身の林田さんに声を掛けた。小原さんと林田さんは小学時代から長崎原爆に関する学習を「当たり前のこと」と認識していたが、地上戦で多くの住民が犠牲になった沖縄戦の状況を知らないことに気付いた。
 お互いのギャップを埋めようと、3人は4月以降、同大生約100人にアンケートを実施。94%が8月9日を「長崎原爆の日」と回答したのに対し、6月23日が「沖縄の慰霊の日」と答えた学生は15%にとどまり、3人は戦争と原爆を考える意識をより強くした。
 3人は6月、学内での意見発表を経て、それぞれの思いを語り合いながら、11月ごろまでに成果をまとめる。指導する波名城翔専任講師は「沖縄と長崎の平和をテーマに考えることを通じて、両県以外の戦争被害も考え、より多くの人とつながってほしい」と期待を寄せた。

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