農作業車に転倒警報装置 「お助け〇」開発 佐世保・迎農機 車体の傾き、音と光で

迎農機が開発した転倒警報装置「お助け〇」=佐世保市鹿町町

 長崎県佐世保市鹿町町の迎農機(迎寿社長)は、農作業車の転倒の危険を感知し、ブザーなどで知らせる警報装置「お助け〇(まる)」を開発した。迎社長は「転倒による痛ましい事故を少しでも減らしたい」と話している。
 農林水産省によると、2018年に発生した農作業事故の死亡者数は274人。このうち、農作業機械の転落・転倒によるものが74人で最も多かった。
 「お助け○」は田植え機やコンバイン、トラクターなどあらゆる農作業車に取り付けて使用できる。車体が一定の角度まで傾くと、運転者に転倒の危険を知らせるためのブザーが鳴り、赤色のLEDランプが点滅する。万が一転倒した場合はエンジンが自動で停止。ブザーに加えてクラクションが鳴り響き、周囲に助けを求めることができる。
 17年から開発をスタート。優れた金属加工技術を持つ湯川王冠(佐世保市)の協力を得て、18年に試作機を製作した。性能を検証するため、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)に検査を依頼。19年4月に誤作動の有無など検査を行い、性能が認められた。その後、試作機にはなかったエンジン停止機能を加えるなど改良を重ねた。
 現在は特許を申請中で、8月ごろの販売を目指している。問い合わせは同社(電0956.66.2334)。

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