石木ダム 私物撤去要求に反対派住民応じず 座り込み延長し抵抗

付け替え道路の工事現場で私物の撤去を巡り、押し問答する住民らと県職員=22日午後3時24分、川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は22日、県道付け替え道路工事現場で抗議の座り込みを続ける反対住民らに、いすなどの私物を撤去するように改めて求めた。県は19日までの撤去を求めていたが、住民側は応じず、座り込みの時間を延長して抵抗している。
 現在の場所での座り込みは2017年8月から続き、住民らが休憩用のベンチやテーブルなどを設置。県側は周辺を避けて工事を進めてきたが、付近の盛り土工事の工期が8月末に迫っているため、今月5日に私物の撤去を求める看板を立てた。期限内に応じない場合は、県側で撤去する旨も通告した。
 これを受けて住民側は、通常は平日午前中のみだった座り込みを、20日土曜日にも実施。22日は午後まで延長し、約40人が座り込みを続けた。
 県石木ダム建設事務所の松園義治所長らが22日午後、説得に訪れたが、すぐに引き揚げようとしたため、住民側が反発。3時間近く押し問答が続いた。県が設置した看板は、住民らが県の了承を得て取り外した。
 住民側は23日以降も座り込みの時間を延長する考え。県河川課は「引き続きお願いしていく」としている。

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