本土とリモート対戦 弓道県高総体代替イベント 対馬の3年生提案 対馬B“団体優勝”

リモートで長崎東と対戦した弓道女子の対馬=対馬市、対馬高弓道場

 弓道女子の対馬は同校弓道場と県内各地をビデオ会議アプリ「ZOOM」でつないだ「リモート対戦」を始めた。5月31日は長崎東との練習試合に臨み、対馬B(栗屋、林田、陶山、阿比留史、吉村)が“団体優勝”した。
 対馬は部員20人中、3年生は5人。簡単に遠征ができないという離島のハンディがある中、昨年9月の佐世保地区高校新人大会団体で準優勝した。だが、その約2カ月後の全国高校選抜大会県予選が、現チームの最後の公式戦となっていた。
 リモート対戦を提案したのは3年生。県高総体の中止決定後、廣島監督からの「自分の射(しゃ)をどのように終えたいか」という問い掛けに、授業で使っているZOOMを思いついた。その後は廣島監督が県内各校に掛け合い、5月29日から対戦校の映像を弓道場内のスクリーンに投影する形で対戦がスタートした。
 31日は1チーム5人の団体(60射)に、対馬から3、長崎東から5チーム参加。リアルタイムの映像で相手の的中数を確認しながら、一人一人が集中して矢を射続けた。仲間が的中させると「よし!」という威勢のいい声も上がっていた。
 廣島監督は「自分も含めた切磋琢磨(せっさたくま)の中で、自己を高めていくのが弓道。7日に予定しているOGも含めた引退試合を開き、3年生を送り出してあげたい」、主将の阿比留凜は「目標にしていた県高総体が中止になって悲しんでいたが、リモート対戦で気持ちの整理をつけることができつつある。引退試合では全力を出し切る」と表情を引き締めていた。

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